円覚寺(鎌倉)
たてもの探訪Ⅴ(拾遺47) 2025年8月15日公開
神奈川県鎌倉市 訪問:2025年4月27日
◆れきし
円覚寺は、弘安5年(1282)に鎌倉幕府第8代執権北条時宗が、元寇の戦没者追悼のため、中国僧・無学祖元を招いて創建。以後、北条得宗家の祈禱寺として保護されました。
その後幾度も火災に遭い、衰微したこともありましたが、江戸時代に伽藍が復興され、現在の寺観に。しかし仏殿は関東大震災で倒壊し、昭和39年(1964)に鉄筋コンクリート造りで再建されました。
◆見どころ
円覚寺の伽藍は、谷戸(やと)とよばれる谷に沿って建てられています。総門、山門、仏殿、唐門と登っていき、その奥まった所にあるのが、開祖・無学祖元を祀る正続院。
国宝・舎利殿(室町時代中期)は、入母屋造り、杮葺き、裳階付きで、組み物や垂木、柱や梁などの形状、花頭窓や桟唐戸など、典型的な禅宗様の建物です。永禄6年(1563)に当初の舎利殿が焼失したので、天正元年(1573)に北条氏康によって尼寺・太平寺(廃寺)から移築されたものですが、鎌倉五山第二位・臨済宗大本山の寺格にふさわしい純粋な雰囲気が感じられます。
仏殿東の小高い場所にある鐘楼には、正安3年(1301)年に北条時宗の子・第9代執権貞時が寄進した洪鐘が架かっています。高さ259センチ、口径142センチの堂々としたもので、得宗家の氏寺としての由緒と、創建期の勢いを語るにふさわしい風格です。
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