真如堂 真正極楽寺

たてもの探訪Ⅱ(山城34) 2026年6月22日公開

京都市左京区 【訪問】2026年6月


◆れきし

 永観2年(984)、比叡山延暦寺の戒算が、夢告により叡山常行堂本尊の阿弥陀如来立像を安置(神楽岡東、一条天皇生母の離宮)したのが始まりで、正暦3年(992)に一条天皇により創建されたという(真如堂縁起)。

 度重なる戦乱により荒廃・再建を繰り返し、寺地も転々とするが、豊臣秀吉の代には聚楽第建設により、京極今出川に移転。慶長9年(1604)には秀頼によって本堂が再建されたが、寛文元年(1661)に焼失。そして元禄3年(1693)に再建されるが、これも2年余りで焼失。こののち東山天皇の勅により、元禄6年(1663)に元真如堂故地に移転・再建されたのが、現在の寺地です。

 ◆見どころ

  朱色の総門(元禄8年)をくぐり、楓に彩られたまっすぐな石段を登り、三重塔(文化14年)、鐘楼(元禄年間)を過ぎると、正面に本堂(享保2年)があります。参拝した時はちょうど本堂前の菩提樹が満開で、苦難にみちた旧い由緒を伝えるかのような芳香。本堂は七間×四間の総欅造、四面庇、本瓦葺、入母屋造。本堂上部の欄間は、中国の神話「八仙渡海」をモチーフとした彫刻で埋められています。内々陣の徳川綱吉・桂昌院寄進の厨子には、「うなずきの弥陀」と名高い阿弥陀如来立像(毎年11月15日開帳)が安置され、天台宗古刹の深い趣きがあります。

 本堂と回廊でつながる書院に入ると、東正面に如意ヶ岳を借景とする「涅槃の庭」(1988、曽根三郎作庭)、「随縁の庭」(2010年、重森千靑作庭)とモダンな庭が迎えてくれるのも絶妙。

 今年は、龍谷ミュージアム「真如堂の名宝」、京都市歴史資料館「真如堂の歴史と信仰」の展覧会が同時開催され、それらを観覧してから訪問。長くて複雑な展開のなかで護られてきた由緒の一端を理解でき、本堂裏のアジサイ園でも色とりどりの花も迎えてくれて、印象深い訪問となりました。

総門

総門から石段


本堂

本堂奥

涅槃の庭


書院正面

随縁の庭

元三大師堂